少しはじめてみる

50代サラリーマンの読んだ本や購入したものの感想などを書いていきます

「植物という不思議な生き方 蓮美香佑著」を読みました

著者の蓮実香佑氏は、稲垣栄洋氏のペンネームということです。稲垣氏の本はすでに何冊か読んでいますが、この本は少し文章の感じが違うような気がしました。どちらかというと稲垣氏は淡々と面白い性質を紹介していた印象を持っていたのですが、この本は、色々な現象を面白がっているような書き方になっているように感じました。

植物の興味深い生き方が、紹介されていますが、植物と昆虫、植物と微生物とのやり取りの話がたくさん出てきます。毒を作って対抗する植物に対して、それを食べられるように進化する昆虫がいる一方で、マメ科の植物が栄養と酸素を与え、根粒菌がその栄養をもらい空気中の窒素を固定して栄養分として植物へ渡すといった共生関係があったりします。ただこの共生関係も、一見win-winのように見えていても、意外とシビアなやり取りがあったりしたりと面白いです。

今まで知らなかったことは、フィトンチッドの話で、遠くの山が青く見えるというのは分かるのですが、それほど遠くでない山も青く見えることがあり、その理由は、植物から多くのフィトンチッドが分泌されることで、それが青い霞となっているそうです。山の中を歩いていると、木の香りがずっと匂うのですが、その植物から体外に放出される成分がフィトンチットだそうです。
コーヒーのブルーマウンテンはこのフィトンチットにより、コーヒーの産地を表す山が青いことでこう呼ばれているそうです。
今度、山に入る時には、少し気をつけてみようと思いました。