少しはじめてみる

50代サラリーマンの読んだ本や購入したものの感想などを書いていきます

読書「教養としての「ローマ史」の読み方 木村凌二著」

もう20年以上前、歴史小説にハマっていた時期がありました。たまたま実家にあった池波正太郎の「真田太平記」全10巻を読んで一気にハマり池波正太郎の「鬼平犯科帳」や「剣客商売」など一通り読んだ後に、吉川英治藤沢周平横山光輝などの主だったところを読み漁っていました。そんな中に、日本や中国のものだけでなく西洋の歴史小説ということで、塩野七生氏の本を読み始めたのですが、どうにも文章が馴染めずに途中で読むのをやめてしまいました。
西洋史については興味がありつつもこれまでほとんど読んできませんでした。ただ唯一、岩明均氏のマンガ「ヒストリエ」が、古代の国のマケドニアが舞台の話であるぐらいでしょうか。
そんな中で、ふとこの本が目に止まり読み始めたところ、少し興味のあったこともありどんどん読み進めることになりました。
この本では、1500年あまり続いたローマの国の、その最初の成り立ちから滅亡までが、政治形態の変化や、皇帝の変遷、そして周辺の国との戦争についてまとめられています。
ほぼ予備知識ゼロで読み始めて、ローマの国について大まかに理解することができました。国がまだ小さなうちは共和制をとっていたのが、巨大になったことで帝国として皇帝を立てて治めるようになり、途中に優れた皇帝が続いた時期もあったり、皇帝が暗殺されまくってコロコロと変わる時期があり、後半では複数の皇帝が分割して治めるようになり、そして末期になりそうして分割されて統治されていた国が滅亡していき終わることになります。まだふわっとした理解ですが、大まかな流れを理解できてよかったです。
この本の最後には、長く続いたローマの国が滅亡した理由が考察されています。その一つとして、昔にはあった寛容さがなくなってきたのではないか、というものがあります。昔は他民族を征服しても、その国が恭順を示せば元々持っていた宗教や文化を無くしてしまわずにいたのが徐々に変わってしまっていたというのがあります。
著者は、今のヨーロッパが、ローマの末期に似ているのではと考察しているのが、なんというか落ち着かない気分になります。
世界史へも少し興味が出てきたので、これから少しずつ本を探して読んでいこうと思いました。