少しはじめてみる

50代サラリーマンの読んだ本や購入したものの感想などを書いていきます

「上達の法則 岡本浩一著」を読みました。

自分は熱しやすく冷めやすい性格なので、何か新しいものには飛びついたりしますが、すぐ飽きてやらなくなってしまいます。新しいことを始めるとまずは自分なりにどうすればまあまあうまくいくようになるのかを考えながら進め、多少うまくいくとより細かいところに注意が向いて微修正をしながらよりうまくいくように微修正を繰り返していくように思います。
そうした上達に伴って意識がどう変わるのかをいくつかのキーワード(アイコニックメモリ、ワーキングメモリ、長期記憶、スキーマ、コーディング能力、チャンク)を使ってわかりやすく説明されています。この説明のところは興味深いところでなるほどなあと納得するところがありました。
また、スポーツをはじめ習い事などで、上達していくとはどういうことなのか、どうすれば良いのかについて、3つのステップ、初心者、中級者、上級者の違いの説明から、それぞれの段階では、どういう状態なのか、そこからどうすれば上達するのかについて著者の考えがまとめられています。具体的には茶道、テニス、将棋を例にとって上達することで何が変わるのかが著者の経験を元に語られています。これらをやったことのある人だとより理解しやすいように思います。ただ逆にこれらの未経験者で予備知識が少ないと、ちょっと理解するのが難しいのではとも感じます。
あと、この本を読んでいて気になったのは、参考文献が全く記載されていないところです。特に上級者がさらに上達を目指すことについては、熱意をもってさまざまな考察がされていますが、一部将棋を例にとって、具体的な棋士名前が書かれて、過去の言動が引用されているのを除くと、引用先がほとんど明記されていないように思います。いくつかの重要なキーワードが出てくるのですが、それらはすでに誰かが提唱したものだと思うのですが、そうした引用先もありません。著者の職業は大学教授で心理学が専門の方ですが、ワーキングメモリなどの考え方がその専門分野に重なるところなのかそうで無いのかが判然としないのがちょっと落ち着かない感じです。ただ他の本でガッツリと参考文献が載っていても、それらを一件一件読むかというと読まないのですが。