少しはじめてみる

50代サラリーマンの読んだ本や購入したものの感想などを書いていきます

「かぐわしき植物たちの秘密」を読みました

著者は以前に植物病理学が専門の丹治邦和氏と、植物生理学が専門の田中修氏による本で、香りを特徴に持つ植物を集めて、その香りに関して、結構専門的なことまでまとめられている本です。

 

なんというか全体を通して、懐かしさを感じさせる本でした。
まず、本の装丁が、数十年前に実家で購読していた「暮らしの手帳」を彷彿とさせる本で、ここからまず懐かしさを感じました。でもこの本のイラストを書いている花松あゆみ氏を検索すると、暮しの手帖に関する情報がヒットしてきません。。雑誌の暮らしの手帳の中に短編のお話が毎号あって本が届くのを楽しみにしていたのでしたのですが、その切り絵の挿絵と重なったようです。

 

この本では、比較的なじみのある香りの特徴的な植物が選択されています。香りといえば定番のラベンダーやローズマリー、食品のワサビ、レモンやバニラ、季節の風物詩ともいえるようなキンモクセイやウメがある中で、ちょっとマイナーなものに懐かしさを感じました。

 

自分の両親が大の植物好きで、自分が小学生ぐらいの頃には色々な植物を育てていて、この本にも出てくる夜香木や月下美人もあって、当時夜になるとこうした花の鉢を家の中に置き、香りを家族で楽しんでいたのを思い出しました。

 

また、この本では食虫植物のウツボカズラが取り上げられていて、虫を誘引する香りを出すことが書かれているのですが、同じく小学生時代、実家では食虫植物にハマっていくつも種類を集めていました。このウツボカズラモウセンゴケ、ハエトリソウなどがあったのを思い出すことになりました。

 

自分にとっては、香りの特徴的な植物に関する面白い話というよりも、ここで集められた植物のナインナップにより、昔の懐かしい記憶が呼び起こされた不思議な本でした。