少しはじめてみる

50代サラリーマンの読んだ本や購入したものの感想などを書いていきます

「経済で読み解く日本史 大正・昭和時代」を読みました。

上念司氏による著作で、全7巻を購入済みで、以前に一度読んでます。その時には興味を持った順番にバラバラに読んでいましたが、今回の再読では、古い時代から順に読んでいます。結果としてこの読み方が正解でした。

各時代の貨幣経済の特徴を順を追って知ることができて面白いです。明治時代では、まだ日本の国力が十分でないことから、日清戦争日露戦争のための膨大な費用は外貨建ての債権で補っていて、そうした債権は、海外の投資家や国?が買ってくれることで成り立っていたのが、大正・昭和の時代では、ドル円の交換レートや金利を操作することによってコントロールするようになるように変わっていくのが面白いです。

あとこの時代の歴史を語る上では外すことができない、第二次世界大戦は回避できなかったのか、どうすべきであったのか、についても結構な分量を割いて考察がされています。

この本で繰り返し検証されているポイントの、「景気が悪くんると人々はヤケを起こして、普段は見向きもされない危険な思想に縋る」があるのと、当時の新聞などは今以上に影響力があり、ミスリードな考えが大きくなってしまった、ということです。

この本では、前の明治時代に続き、高橋是清の何というか神懸かっている活躍が賞賛されている一方で、第二次世界大戦真珠湾攻撃を行った山本五十六の評価が低かったりと、歴史上の人物の評価も面白く読めました。

次は平成時代になりますが、バブルが弾けた後のデフレの時代からやや持ち直す令和の手前までのところで、自分にとっても最近の話で、身に迫るところがありました。